(ブルームバーグ):トランプ米大統領を総じて強力に支持してきたテッド・クルーズ上院議員が、政権が進める関税引き上げに対して警鐘を鳴らした。米経済にとって「巨大なリスク」となっており、来年の中間選挙で共和党が惨敗する恐れがあると述べた。
クルーズ氏は4日に配信された自身のポッドキャスト番組で、長期的な貿易関税はインフレを加速させ、金融市場を混乱させる可能性があると指摘した。米国株は貿易戦争激化への懸念から、この日も2日連続で大きく売り込まれた。
クルーズ氏は、こうした経済的打撃が民主党による下院の奪還につながる恐れがあると指摘。可能性は低いものの、上院でも多数派を握られる可能性がゼロではないと述べた。

その上で「世界各国からの輸入品に関税を課せば、国内の雇用は崩壊し、米経済に深刻な打撃を与えることになる」と語った。
これに先立つ2日、米上院はトランプ氏による対カナダ関税に異を唱える民主党の決議案を賛成51、反対48で可決した。クルーズ氏の批判は、民主党議員と共に決議案に賛成票を投じた共和党議員4人の動きとも重なる。
ダラス地区連銀によると、クルーズ氏の地元であるテキサス州は米国の貿易全体の約16%と、州別で最大の割合を占めており、関税による経済減速の影響を受けやすい。
原題:Cruz Warns Tariffs Risk Sparking GOP Wipeout in 2026 Elections(抜粋)
--取材協力:Erik Wasson.もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
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