投資家はトランプ米大統領の関税政策がもたらす影響を念頭に、勝ち組となり得るグループを突き止めた。世界の貿易体制が塗り替えられる中で投資家が買っているのは、主に国内のサプライチェーンを強みとする企業の株だ。

米スーパーマーケットチェーンのクローガーとアルバートソンズはまさにその条件に当てはまる。3日の米株式市場でS&P500種株価指数は2020年6月以来の大幅安となったものの、いずれも2%以上値上がりした。

冷凍ポテト製品を提供するラムウェストン・ホールディングスは10%上昇し、ディスカウントチェーンのダラー・ゼネラルは5%近い上げ。

タイヤメーカーのグッドイヤー・タイヤ・アンド・ラバーは12%高。自動車関税で交換用タイヤの受注が増えるとの期待が広がった。太陽光パネルを手がけるファースト・ソーラーは4.9%高。同社は昨年、売上高の約95%を米国で得ていた。

投資家は成長株から、景気低迷期にも比較的持ちこたえやすい企業の株式への乗り換えも進めた。その筆頭はヘルスケア株で、センティーンやユナイテッドヘルス・グループはS&P500種構成銘柄の値上がり上位に入った。

水道会社のアメリカン・ウオーター・ワークスも4%高と、上げが目立った。投資家は、安定した配当金支払いが魅力の公益株の買いを強化している。

 

こうした動きは、トランプ大統領の広範囲な関税措置に対する反射的な反応に過ぎないかもしれない。それでも、S&P500種構成銘柄の大半が値下がりする中では際立っている。

ネーションワイドのチーフ市場ストラテジスト、マーク・ハケット氏は「全ては相対的なゲームだ」として、質への逃避で買われる銘柄こそが有望な投資先だとの見方を示した。

原題:Tariff Turmoil Spares Stocks With Domestic Suppliers, Dividends(抜粋)

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