北大西洋条約機構(NATO)のルッテ事務総長は2日、米国がアジアからの脅威に軸足を移し、欧州の防衛から距離を置きつつある中、欧州は軍事力を「強化」すべきだと述べた。

ルッテ氏は、米国が中国との戦争を計画している可能性があるとの報道について質問され、米国がインド太平洋地域に重点を移していることを認めつつも、米国が欧州の安全保障から撤退する計画はないと強調した。

ルッテ氏はブリュッセルで記者団に「米国が時間をかけ、こうした地域にもますます重点を置きたいと考えるのは理解できる。従って、欧州をさらに強くすることが理にかなっている」と述べた。「米国はNATOにコミットしている」とも改めて主張した。

トランプ米大統領は、ウクライナとロシアの停戦に取り組む中で、ロシアに接近したり、ウクライナに厳しい対応をとったりと、NATO加盟国を困惑させている。加盟国は、今後の方向性を定めるにあたり、5、6日の外相会合で、ルビオ米国務長官の意見を聞く方針だ。

欧州各国の政府は、トランプ氏の外交政策からの疎外を懸念している。NATO高官によると、各国はルビオ氏に対し、ウクライナに対する永続的な中立的立場、ロシア占領地域の承認、ウクライナへの軍事的制限といった主張に対する欧州のレッドラインを伝える方針だ。

6月にオランダ・ハーグで開かれるNATO首脳会議では、全加盟国が国防費支出を国内総生産(GDP)の少なくとも3%以上とするとの新たな支出基準が採用される見通しだ。現在の目標の2%は、今年中にほぼ達成されるとみられる。トランプ氏の主張する5%は、NATO最大の国防費支出国である米国を含め、どの国も満たしていない。

原題:NATO Chief Urges Europe to ‘Step Up’ as US Turns Toward Asia (1)(抜粋)

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