米国では自動車ローンの返済に苦戦している借り手が増えており、返済遅延の割合はここ30年余りで最高となった。

フィッチ・レーティングスによると、サブプライム(信用力の低い個人)の借り手のうち、自動車ローンの返済が60日以上遅れている割合は6.56%に達し、1994年の統計開始以降で最高となった。

景気減速と根強いインフレの影響により、多くの消費者は支払いが一段と困難になっている。特に自動車ローンは頭痛の種となっており、自動車価格の高騰と借り入れコストの上昇で差し押さえが急増している。

ニューヨーク連銀の最近の報告によれば、90日以上の深刻な返済遅延に陥った借り手が全体に占める比率は昨年10-12月(第4四半期)に3%と、2010年以来の高水準に達した。

トランプ米大統領が誘発した貿易戦争で株式市場では値動きが荒くなり、景気減速懸念が強まっている。

フィッチの北米資産担保証券(ABS)担当シニアディレクターのマイク・ジラード氏は「低所得者層はかなり影響を受けており、年内はその傾向は続くと予想している」と述べ、「高インフレと金利上昇による影響はまだ続いている」と指摘した。

 

原題:Americans Fall Behind on Car Payments at Highest Rate in Decades(抜粋)

--取材協力:Alexandre Tanzi.

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