(ブルームバーグ):元ブレバン・ハワード・アセット・マネジメントのアスファンディア・ナディーム氏は先月、世界の地政学的変化と関税戦争、欧州の防衛予算増額方針に関係する取引で大きな利益を上げた。
同氏はロンドンに本社を置くヘッジファンド、ディーム・グローバルを創業。ブルームバーグ・ニュースが入手した投資家宛ての書簡によると、主力の「ディーム・グローバル・マクロ」は2月の運用成績がプラス9.6%となった。
リスクが高めの集中型ファンド「ディーム・グローバル・マクロ・プラス」はプラス40%を記録。両ファンドの運用資産は総額5億8600万ドル(約870億円)に上る。同社の広報担当者はコメントを控えた。
2014-19年にブレバンで運用を担当していたナディーム氏(32)は、22年に自身のヘッジファンド向けにトレーディングを開始した。投資家に宛てた最新の年次書簡「地経学的戦争」の中で、新たな世界規模の紛争の始まりについて語り、そのマネタイズ(収益化)を目指していると説明した。
「財政政策と技術的躍進、産業動員、そして世界の大国による軍事的駆け引きが重なり合い、従来の経済指標や縦割り的な視点では誤解を招きかねない状況が生まれている」と分析。
具体的な取引内容には触れずに「この地政学的な競争は、労働市場に激震をもたらし、グローバルなサプライチェーンに抜本的な再編を迫り、生産性を大幅に向上させ得る」と指摘した。
「これにより、労働と富の創出の在り方が再定義され、国内および国家間で劇的な不平等が生じる可能性がある」という。
書簡によれば、ディーム・グローバル・マクロの設定以降の運用成績は年率でプラス約9%となっている。
原題:Ex-Brevan Trader’s Geopolitics Bets Return Up to 40% in February(抜粋)
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