(ブルームバーグ):中国経済のかじ取りを担う閣僚や中央銀行トップは6日、景気を巡る不確実性やリスクに直面する中で中国には大きな政策余地があるとの認識を示した。
藍仏安財政相は北京での記者会見で、中央政府には国内外の課題に対応する財政政策の手段と余地が十分にあると強調した。
中国政府は5日に開幕した全国人民代表大会(全人代、国会に相当)で、2025年の経済成長率目標を5%前後に設定したと発表。米国の対中関税強化にもかかわらず、昨年と同水準の成長率見通しとなった。
藍氏は中国人民銀行(中銀)の潘功勝総裁らと共に参加したセッションで、中国は新たな政策を適時研究・展開していくと表明。一方、潘氏は、適度に緩和的な金融政策を行うと述べ、人民銀が「適切な時期」に政策金利と市中銀行の預金準備率を引き下げるとの方針をあらためて示した。
また、人民銀は新たな構造的ツールも探っていくとも語り、低金利の再貸し出しの対象となるセクターがさらに増える可能性を示唆した。
習近平国家主席は投資に代わり消費を重視する成長モデルへの転換を望んでいるとみられるものの、5日の政府活動報告で詳しい方針は示されなかった。
王文濤商務相は輸出企業を支援する新たな施策の検討を急ぎ、タイムリーに政策を導入すると説明。
自由貿易協定を結ぶ国を増やしたいとし、「全ての卵を一つの籠に盛ってはならない。これが中国の対外貿易の強靱(きょうじん)さを明確に示している」と話した。トランプ米政権が対中圧力を強めていることを念頭にした発言とみられる。
原題:China Touts Policy Space in Shielding Economy From Trade War (2)(抜粋)
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