(ブルームバーグ):中国アリババグループの株価が6日、取引時間中として約2週間ぶりの大幅上昇となった。中国の人工知能(AI)スタートアップ、DeepSeek(ディープシーク)並みの性能を、わずかなデータで発揮するというモデルを公開した。
同社は6日、「QwQ-32B」モデルをオープンソース化した。中国の電子商取引大手のアリババは今年、高く評価されたモデルを携え国内AI分野の最前線に躍り出た。
香港市場でアリババの株価は一時7.6%上昇。大型ハイテク株で構成するハンセンテック指数は一時約5%上昇した。アリババ株は今年、急上昇しており、時価総額は1350億ドル(約20兆1000億円)膨らんだ。
同社は長年の政府締め付けで痛手を受けた事業を立て直し、投資家から好感を持たれている。AI分野における能力向上に加え、中国政府が支援する兆しが増えていることも同社の復活を後押した。
ユニオンバンケールプリヴェ(UBP)のマネジングディレクター、ベイサーン・リン氏は「アリババには多くの好材料があり、最新のものはオープンソースの推論モデルだ」と指摘。「中核事業は改善傾向にあり、中国の消費喚起策から確実に恩恵を受けるだろう。AIが同社のクラウドコンピューティング事業にもたらす価値も、今や投資家は認識している」と分析した。
中国が大規模AIモデルの広範な応用と、次世代インテリジェントターミナルとスマートマニュファクチャリング設備開発を支援すると表明したことも、今週のAI関連株には追い風となった。今週北京で開催中の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)から伝わったポジティブなメッセージもアナリストから前向きに受け止められた。全人代では技術革新と消費が最優先事項に掲げられた。
原題:Alibaba Shares Jump 7% After Unveiling Latest DeepSeek Rival (1)(抜粋)
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