(ブルームバーグ):トランプ米大統領が中国からの輸入品に対する追加関税を発表したことを受け、中国が報復を示唆し、世界1、2位の経済大国間で緊張がエスカレートするリスクが高まっている。
中国商務省は28日、「米国が自国のやり方に固執するのであれば、中国は正当な権益を守るために必要なあらゆる措置で対抗する」との報道官談話を発表した。米国が以前講じた関税措置に対して、同省は「相応」の措置を講じると先に表明していた。
トランプ氏はカナダとメキシコから「容認できない、非常に高い水準」で違法薬物がなお流入していると主張し、両国に対する関税を3月4日に発動すると明らかにした。その上で「中国も同様に、その日に追加で10%の関税が課される見通しだ」と述べた。
米国は2月上旬に10%の対中追加関税を実施。トランプ政権は、テクノロジーや投資などに関しても中国に対する締め付けを強めている。
28日の香港株式市場では、本土銘柄から成るハンセン中国企業株(H株)指数が一時4%を超える下げ。ハイテク株で構成されるハンセンテック指数は6%余り値下がりする場面もあった。
中国本土株の指標CSI300指数は2%安で引けた。
ブルームバーグ・エコノミクス(BE)の舒暢チーフエコノミスト(アジア担当)はリポートで、「トランプ氏は図に乗っているのかもしれない」と指摘。中国のこれまでの自制が「より強硬な報復姿勢、そしてよりダメージの大きい貿易戦争へと転じる」リスクがあると警鐘を鳴らした。
原題:China Vows ‘All Necessary Measures’ Against New US Tariffs(抜粋)
--取材協力:Jing Li.
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