暗号資産(仮想通貨)ビットコインの下げが28日に加速している。6週間足らず前に付けた最高値から25%超下落した。昨年の米大統領選でドナルド・トランプ氏が勝利した後の取引が劇的に反転している。

ビットコインはシンガポール時間午後0時5分(日本時間同1時5分)時点で、5.5%安の7万9627ドル。一時は昨年11月10日以来の安値を付けた。ビットコインに次ぐ世界2位の仮想通貨イーサは7.3%下落する一方、より規模が小さいソラナやXRPもそれぞれ7.1%、7.8%下げた。

今回の下落で、トランプ氏当選後に大きく値上がりしていたデジタル資産の急変が浮き彫りとなっている。ビットコインはトランプ大統領が就任した1月20日に10万9241ドルと最高値を付けたが、同大統領の攻撃的な姿勢に対する懸念や米経済を巡る広範な不安から、それ以降急落している。

暗号資産カストディー会社ビットゴーのアジア太平洋店頭取引ディレクター、シュテファン・フォンヘーニシュ氏は「マクロ環境を考えれば、現在のような状況になっても驚きではない」と指摘。トレーダーらは、仮想通貨を支持していると広く考えられているトランプ氏がビットコインの備蓄など具体的な措置を打ち出すのをなお待っていると述べた。

 

トレーダーは今、世界最大の仮想通貨ビットコインがどこまで下げるのか検討を余儀なくされている。暗号資産プラットフォーム、ユーホドラーで市場チーフを務めるルスラン・リエンカ氏は、テクニカル分析を踏まえ、7万ドル付近にサポートがあると指摘しながらも、投資家はビットコインの下落がそこまで深刻化すると想定すべきでもないと話す。

「ネガティブなセンチメントが株式市場を支配した場合にのみ、この水準が視野に入る」とリエンカ氏は述べた。

原題:Bitcoin Down 25% From All-Time High as Crypto Rout Worsens(抜粋)

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