人工知能(AI)を履歴書作成に利用しているジュニアバンカーに伝えておきたい。人材斡旋(あっせん)会社は、それを百も承知だ。

ウォール街の管理職人材斡旋会社によると、「robust(ロバスト=強健)」や「meticulous(メティキュラス=細部にまで正確)」のような言葉は、銀行業界への就職希望者が、履歴書のブラッシュアップでAIの支援を仰いだ明確な証拠となる。

「絶え間なく進化している」といった使い古された表現を用いたり、「(何かの)実現で重要な役割を果たした」と志願者が書いたりする場合も同様だ。

多くの求職者と同じように若いバンカーも履歴書の作成にChatGPT(チャットGPT)などAIツールをますます活用している。応募書類の校正が適切に行われず、誤りが入り込めば、採用担当者にとって問題だ。細部への注意や正確さを重視し、近道しない応募者を採用したい投資銀行の雇用主には危険信号に映る。

セルビー・ジェニングスの投資銀採用責任者ブリアン・スターリング氏は「応募者が履歴書を作成する時間を割こうとしないなら、私が時間を割いて履歴書を見直し、面接を行う必要があるだろうか。これらバンカーの最初の仕事は、その多くが顧客向けのプレゼンテーションやモデルの準備だ。誤りがあったり、ありきたりの印象を与えたりする履歴書なら雇用主にとって恐らく即赤信号だろう」と指摘する。

外部の採用担当者によれば、AIによる履歴書作成アシストの普及が採用プロセスを遅らせている。外部の人材斡旋会社は、応募者を選別し銀行に紹介する前に最初の面接を行うことが多い。より具体的で技術的な質問をぶつけ、履歴書通りの優秀な人材かどうか、これまでより長い時間をかけて確認しているという。

原題:Junior-Banker Hiring Is a Battle Against AI-Written Resumes (1)(抜粋)

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