中国のクオンツヘッジファンドは人工知能(AI)スタートアップ、DeepSeek(ディープシーク)の成功を受け、AIを導入しないと時代遅れになる。クオンツファンドの倍漾量化がこう警告している。

同社の最高経営責任者(CEO)、馮霽氏は「3年後、AIを使用しないクオンツは必然的に淘汰(とうた)される」とし、「ディープシークは、AIの力をなお信じていない人への最後の警告だ」と語った。

機械学習を活用して人を介さずトレードを行う倍漾量化は、証券会社などの法人顧客を中心に顧客資産60億元(約1200億円)余りを運用。同社のロング(買い持ち)オンリー商品は2年前の運用開始以来、中国小型株の指標CSI1000指数の騰落率を66ポイント上回る運用成績となっている。

南京大学で機械学習の博士号を得た馮氏が率いる倍漾量化は、中国で最も積極的にAIを活用している運用会社の1社だ。

中国の金融・資産運用業界は既にディープシークのAIモデル「R1」活用に動いており、コスト削減や効率性向上に向け数十社が自社システムに組み入れた。

クオンツ業界では激しい競争が繰り広げられ、個人投資家保護に向け当局の締め付けも厳しくなっている。こうした環境下、AIをよりうまく活用できる能力がファンドが生き残る上で極めて重要となっている。

馮氏は「ほとんどの会社は生産ラインが従来と同じで、依然としてAIを単なる代替ツールとしか見なしていないが、それでは全く不十分だ」と指摘。今は「超変革期」で、 最初から最後までAI主導の投資に移行することが求められているとの見方を示した。

原題:China Quant Says Funds Must Adopt AI to Survive After DeepSeek(抜粋)

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