(ブルームバーグ):全日本金属産業労働組合協議会(金属労協)は、2025年春闘で過去最高のベースアップ(ベア)を求めている。歴史的な高水準に達した昨年に続き、賃上げのモメンタム(勢い)が継続していることを示すものだ。
金属労協が27日発表した要求額の集計によると、構成する3050組合のうち46%が提出した段階で、月額平均1万4149 円の賃上げを求めている。これは要求記録をさかのぼれる14年以降で最高。金属労協の平均賃金(月28万円)に対して約5%の賃上げになるという。昨年示した要求方針では「1万2000円以上」を掲げていた。第1回回答集計は3月12日に公表する予定。
金属労協の金子晃浩議長は会見で、「まずは当該労使で獲得し、金属産業全体に波及させ、さらに日本経済を好循環に回す」と指摘。この動きを安定させるためにも「今年の取り組みは非常に重要であり、鋭意努力をしていきたい」と語った。
政策判断で賃金の動向を注視している日本銀行にとって、今回の集計結果は前向きな材料となる。日銀は1月に政策金利を17年ぶりの0.5%程度に引き上げ、経済・物価が見通し通り推移すれば利上げで金融緩和度合いを調整する方針を維持した。市場の関心は次の利上げの時期とペースに集まっている。
金属労協は自動車や電機メーカーなど五つの産別労組で構成され、組合員数は約200万人。24年は過去最高の「1万円以上」の要求方針に対して要求額は1万2392円。妥結額は9055円だった。
日本最大の労組の全国組織である連合は、25年春闘の賃上げ目標を24年と同水準の「5%以上」とし、中小企業は格差是正分を加えた「6%以上」に設定した。3月6日に要求集計、14日に第1回回答集計の公表を予定している。
(金子議長の会見内容を追加して更新しました。)
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