(ブルームバーグ):トランプ米大統領による対中追加関税発動の直前、中国発の動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」のアプリ内ショッピング機能「TikTokショップ」が米電子商取引(EC)市場で競合他社をしのぐ勢いだったことが分かった。
米国内のクレジットカードおよびデビットカードの取引データを分析するブルームバーグ・セカンド・メジャー(BSM)によると、TikTokショップは2024年に続き今年1月も売上高の前年同月比伸び率でアパレル通販のSHEIN(シーイン)やPDDホールディングスの格安サイト「Temu」を上回った。
BSMのジョー・フン氏は調査リポートで、TikTokショップの先月の増収率が153%だったのに対し、SHEINは26%、Temuは28%にとどまったと明らかにした。TikTokショップは23年に米国内でEC市場に参入した。

フン氏のデータにより、TikTokショップはTemuよりもSHEINから市場シェアをより多く奪っていることが判明。
TikTokショップのシェアはSHEINの主戦場と考えられている25ドル(約3800円)以上の取引で1月に前年同月比で16ポイント増加。一方、Temuの取り扱う商品が多い25ドル未満の取引では7ポイント増にとどまった。
SHEINからTikTokショップへの顧客の大規模シフトもここ1年の間に見られた。
TikTokの親会社が期限までに米事業を売却しない場合、米国でTikTok利用が禁止される恐れがなおあるため、TikTokショップの急成長にもかかわらず、米国でTikTokの将来性は疑問視されている。
TikTokはまた、トランプ大統領による10%の対中追加関税導入や中国からの少額貨物に対する関税免除措置の適用が停止される可能性など不確実性にも直面。
一方、SHEINにとって市場シェア低下はさらなる打撃になる恐れがある。同社は英国での新規株式公開(IPO)を控え、評価額を約300億ドルに引き下げるよう株主から圧力を受けている。ブルームバーグ・ニュースが事情に詳しい関係者を引用して報じた。
原題:TikTok Grabs Market Share From Shein Despite Looming Risks(抜粋)
--取材協力:Jinshan Hong.
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