米国は北大西洋条約機構(NATO)へのコミットメントを維持するだろうが、優先課題がインド太平洋地域に移行するにつれ、米軍が欧州に置く兵力を縮小する可能性があるとの見方をNATO軍事委員会(MC)の新議長が示した。

イタリア海軍のジュゼッペ・カボ・ドラゴーネ大将は先月、MC議長に就任。今月16日に閉幕したミュンヘン安全保障会議では、トランプ米大統領の下で米国による欧州防衛が後退する可能性を含め、欧州首脳らのトランプ政権への対応を目の当たりにした。

カボ・ドラゴーネ氏はミュンヘンでのインタビューで、米国が「NATOから脱退することはない」と述べながらも、「米国が遠く離れた太平洋地域で幾つかの責務を負っている」ことを踏まえ、欧州に駐留する米兵10万人の一部撤退が議題に上る可能性があると指摘。

その上で、それでも「欧州から非常に多くの米兵が撤退することはないと思う」と語った。米国防総省はコメント要請に応じなかった。

ジュゼッペ・カボ・ドラゴーネ氏

ミュンヘン安全保障会議では、ロシアが約3年にわたり続けているウクライナでの戦争をいかに解決するかが最重要課題だった。

ウクライナを含む欧州の首脳はトランプ氏がロシアのプーチン大統領と直接会談する計画を立てていることに不意を突かれ、欧州が交渉から締め出されるのではないかと懸念を抱いた。

カボ・ドラゴーネ氏は米国の優先課題が変化したことで欧州が軍事力を強化する必要があることを認め、多くのNATO加盟国が防衛費の増額を求めていることに賛同。「ある種の不均衡があるため、均衡を取り戻す必要がある」と述べた。

欧州が自らを守ることができないとの考えについては、「冒瀆(ぼうとく)的」だと非難した。

原題:US Won’t Quit NATO But May Pivot From Europe, NATO Admiral Says(抜粋)

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