米オープンAIの共同創業者イリヤ・サツキバー氏は、自身が率いるスタートアップ企業で10億ドル(約1510億円)余りを調達する。企業価値は300億ドル余りと評価され、世界で最も価値の高い非上場テクノロジー企業の一角に躍り出る。事情に詳しい関係者1人が明らかにした。

サツキバー氏率いるセーフ・スーパーインテリジェンス(SSI)の資金調達を主導しているのは、サンフランシスコを拠点とするベンチャーキャピタル(VC)企業、グリーンオークス・キャピタル・パートナーズで、5億ドルを投資する計画だと関係者は匿名を条件に話した。グリーンオークスは人工知能(AI)のスケールAIやデータブリックスにも出資している。

新たな資金調達の一部詳細を先に報じたロイター通信によると、今回の調達ラウンドでは、SSIの評価額は以前の50億ドルから大幅な引き上げとなる。資金調達に関する協議は継続中で、詳細はまだ変更される可能性もある。

SSIは以前、セコイア・キャピタルやアンドリーセン・ホロウィッツなどの投資家から資金を調達した。グリーンオークスはコメントを控えた。サツキバー氏の代理人は、コメント要請にすぐには応じなかった。

サツキバー氏はオープンAIで技術開発に貢献し、チーフサイエンティストを務めた研究者で、昨年5月に同社を退社。その1カ月後、アップルでAIの取り組みに携わっていたベンチャーキャピタリストのダニエル・グロス氏と元オープンAI研究者のダニエル・レビー氏と共にSSIを設立した。

SSIは安全なAIシステムの開発に重点を置いており、まだ収益を上げておらず、近い将来にAI製品を販売する予定もない。

原題:Sutskever Startup Is Fundraising at $30 Billion-Plus Valuation(抜粋)

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