(ブルームバーグ):香港のオプション市場は順調に旧暦の巳年(みどし)をスタートした。
春節(旧正月)明けの取引再開以降、プットオプション(売る権利)とコールオプション(買う権利)の売買が1日当たり平均120万枚近くと、昨年10月以来の高水準に達したことが、香港取引所のデータで分かった。
投資家は、株価が急上昇しているハイテク企業や電気自動車(EV)メーカーへの投資を増やしている。

中国のスタートアップ企業DeepSeek(ディープシーク)が人工知能(AI)分野で画期的な進歩を遂げたことを受け、中国テクノロジー業界の先行きに対し楽観論が強まった。EV大手の比亜迪(BYD)に加え、一部のデジタルヘルス企業がディープシークの製品を取り入れる計画を既に発表した。
トレーダーが恩恵を受けそうな銘柄に殺到し、香港上場の中国テクノロジー企業30社で構成するハンセンテック指数は2022年以来の高値に上昇。中国の景気刺激策がきっかけとなった昨年10月の高値水準も上回った。
M&Gインベストメンツ・シンガポールのポートフォリオマネジャー、ビカス・パーシャド氏は「ディープシーク台頭後にセンチメント急反転を目の当たりにした」とし、「遅ればせながら、投資家が中国株に回帰しつつある。オプション活用は低コストで素早くエクスポージャーを得る方法だ」と指摘した。
香港のオプション取引は昨年末に減少したが、回復基調にある。今月に入り1日当たり取引高平均は既に1月を38%上回っている。
GAMインベストメント・マネジメントのファンドマネジャー、ジエン・シー・コルテシ氏(チューリヒ在勤)によると、ディープシークは中国のテクノロジーに対する投資家の「覚醒」を促した。
「これまで投資家はAIについて米国の大手ハイテク企業やAI半導体、ハードウエア、電力を連想していた」が、「今やこうした見方は徐々に変化しつつある。実際、EVやドローン、ロボット、AI、ソーラー、バッテリーなどの分野で中国の技術はかなり進んでいる」と同氏は分析している。
原題:Traders Pile Into Hong Kong Options After DeepSeek Wake-Up Call(抜粋)
もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
©2025 Bloomberg L.P.