(ブルームバーグ):アジア時間10日午前の外国為替市場では、米ドルが他の主要通貨の大多数に対して上昇している。トランプ米大統領が9日、全ての鉄鋼とアルミニウム輸入への25%関税を10日に発表すると述べたのを受け、米ドル買いの動きが広がった。
ノルウェー・クローネやカナダ・ドル、オーストラリア・ドルなどが対米ドルでの下げを主導。ユーロは0.3%安、中国のオフショア人民元は0.2%安となった。鉄鋼とアルミへの関税は全ての国からの輸入に適用されるとトランプ氏は語った。
グローバルX・ETFsの投資ストラテジスト、ビリー・レオン氏は米国の広範な関税について、「時間の経過とともに徐々にエスカレートするリスクは残る」と述べるとともに、「インフレ圧力が持続し、米金融当局が利下げに慎重になり、政策の相違によりドル高を支える要因が強まる可能性がある」との見方を示した。
米ドルは7日、トランプ氏が米国に課税する国々への相互関税賦課の方針発表を示唆したことを受け0.3%高となったが、週明けの取引で上昇幅を拡大した。米ドルは昨年9月に付けた安値から7%前後上伸している。関税賦課でインフレ抑制の進展が滞り、米金融当局の緩和サイクルに影響しかねないとの投資家の懸念を反映している。
ウォール街の金融機関は米ドルにはさらなる上値余地があるとみる。ゴールドマン・サックス・グループは米ドルが対ユーロでパリティー(等価)を突破すると予想し、JPモルガン・チェースは米ドルが対カナダ・ドルで1米ドル=1.50カナダ・ドル前後と数十年ぶりの高値を付ける可能性があると見込んでいる。
ナショナルオーストラリア銀行(NAB)のストラテジスト、ロドリゴ・カトリル氏は、トランプ政権が関税を交渉のための道具や、戦略的ないし再構築の手段としても活用しようとしているのは明らかだと分析。「引き続き高度の不確実性の状況にあり、米ドルの動向はそれを反映している」とコメントした。
原題:Dollar Advances on Trump’s Steel Comment as Trade Jitters Deepen(抜粋)
(ウォール街の金融機関の為替予想などを追加して更新します)
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