(ブルームバーグ):ソフトバンクグループとオープンAI、オラクルが主導する共同事業会社「スターゲート・プロジェクト」は、米テキサス州でデータセンターの新たな立地選定に近づいており、他の15州でも建設候補地の検討を進めている。同事業は米国の人工知能(AI)インフラに巨額投資を行う計画。
オープンAIの広報担当者は、AIサービスを支援する大規模データセンタープロジェクト向けにテキサス州内で数カ所の立地を選定するプロセスはかなり進んでいると語った。既に同州アビリーンでの最初の建設計画は着工済みだという。
オープンAIの国際業務担当バイスプレジデント、クリス・レハーン氏は、テキサス州がこの新たなインフラ事業で「旗艦」役を担うと述べた。
オープンAIはテキサス州に加え、他の15州でも候補地を評価しており、今週はオープンAIとソフトバンクグループのスタッフがペンシルベニア、ウィスコンシン、オレゴンの各州を訪れた。
オープンAI広報によると、計画されているデータセンターの電力消費量は1ギガワット前後となる見込みで、これは原子炉1基の出力容量に相当する。ただ、これを含め詳細はまだ決定されていない。
トランプ大統領は先月、ソフトバンクグループとオープンAI、オラクルの経営首脳らと共に記者会見に臨み、スターゲートを通じたAIインフラ投資計画を発表。1000億ドル(約15兆2000億円)を直ちに投じ、投資額を今後4年で少なくとも5000億ドルに増やす計画だと説明した。
スターゲートの支持者らはこの取り組みについて、雇用拡大への強力な後押しになるとみている。また中国のDeepSeek(ディープシーク)などが追い上げる中で、AI分野における米国の優位性を維持する上で極めて重要だと評価している。
しかし、最初の発表とテキサス州アビリーンの計画を除けば、資金調達や進行中の具体的なプロジェクトに関する詳細はほとんど明らかにされていない。
スターゲートの立地選定とインフラ構築を主導するのは昨年11月にオープンAIに入社した同社のインフラ戦略・開発統括責任者、キース・ヘイド氏だ。
ヘイド氏は6日の記者会見で、スターゲートは5-10カ所に拠点を構える予定だが、各地で利用可能な電力量次第でその数は変わる可能性があると述べた。アビリーンでは年末までに一部「AIトラフィック」処理を開始する予定だとも話した。
オープンAIは、これらのプロジェクトにより建設分野で合わせて数十万人の雇用が創出されるとの見通しを示してきた。レハーン氏は新たに建設されるデータセンターは、スタートアップやデベロッパーなどが新たな機会を求めて集まる「AIハブ」を各州が構築するのを助けるだろうと述べた。
原題:OpenAI Eyeing More Data Centers in Texas for Stargate (3)(抜粋)
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