(ブルームバーグ):2月第1週(3-7日)の日本株はもみ合いとなる見込み。主要企業の決算が期待される半面、日本銀行の「主な意見」や、田村直樹審議委員の講演を控えて円高への警戒感が重しになりそうだ。
4日に任天堂、5日にトヨタ自動車、6日に東京エレクトロンなどが決算を発表する予定。オランダのASMLホールディングの受注好調を受け、半導体セクターの好決算期待が高まっている。東エレクに業績を評価した買いが入れば、半導体株の寄与度が大きい日経平均株価を押し上げる可能性が高い。
日銀は追加利上げを決めた1月の金融政策決定会合での主な意見を3日に公表する。6日にはタカ派と目される田村審議委員が講演する。1月30日の氷見野良三副総裁に続き、金融政策正常化に言及して市場の利上げ観測が高まれば、為替市場で円高が進み株式相場の重しになる。
経済指標は5日に昨年12月の毎月勤労統計が発表される。物価変動を反映させた実質賃金の市場予想は前年同月比0.5%増と、2カ月連続のプラスとなる見込み。
米国市場の動きにも注目だ。トランプ大統領は2月1日にカナダとメキシコからの輸入品に25%の関税措置を発動すると表明している。関税政策について新たな発言があれば、日本でも自動車株などに影響を懸念した売りが出そうだ。企業決算は4日にアルファベット、6日にアマゾン・ドット・コムなどが発表する。

1月5週の東証株価指数(TOPIX)は週間で1.4%高と続伸。週前半には中国製の人工知能(AI)モデルが米国企業の優位性の脅威になるとの見方が広がり、半導体関連株が急落した。
《市場関係者の見方》
T&Dアセットマネジメントの浪岡宏チーフ・ストラテジスト
ASMLの好決算を受けて、東エレクの業績期待がかなり高まっている。決算が予想通りであれば相場を押し上げるだろう。一方、日銀幹部のコメントは引き続き注目。円高の影響は少し気がかりだ。日銀からのタカ派的な発信で、決算の好材料を帳消しにする可能性もある。
しんきんアセットマネジメント投信の藤原直樹シニアファンドマネジャー
半導体セクターへの不安はいったん落ち着き、トランプ米政権の関税政策をにらみながらのもみ合いになりそう。週末には米雇用統計も控え、投資家の様子見姿勢が強まりやすい。
--取材協力:アリス・フレンチ.
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