27日の東京株式相場は日本銀行の追加利上げを受けて銀行株の上昇が続き、自動車やゴム製品など輸出関連株の一角も堅調。半面、中国製人工知能(AI)の高度化に対する警戒から、ソフトバンクグループやアドバンテストなど値がさのAI・半導体関連銘柄の下げが目立つ。主要株価指数は高安まちまち。

TOPIXを構成する2119銘柄中、上昇は1650、下落は383。売買代金上位では三菱UFJフィナンシャル・グループやみずほフィナンシャルグループ、トヨタ自動車、ブリヂストンが高く、アルツハイマー型認知症治療薬の静注維持投与を米食品医薬品局(FDA)が承認したエーザイも堅調。半面、ソフトバンクGやアドテストのほか、ディスコや東京エレクトロン、古河電気工業などが大幅安。

しんきんアセットマネジメント投信の藤原直樹シニアファンドマネジャーは、投資家の多くが日銀に対し慎重な姿勢を取っていたが、植田和男総裁はそれほどタカ派的な発言をしなかったため、安心感が広がったとの見方を示した。

日銀は24日の金融政策決定会合で、昨年7月以来の追加利上げを決定。植田総裁は会見で、今後の利上げ時期やペースは予断を持たずに毎回の会合で判断していく考えを示した。

一方、中国の「DeepSeek」が低コストのAIモデルを発表し、米企業の優位性の脅威になるとの懸念が日本のAI・半導体関連銘柄に広がっている。米シカゴ市場のナスダック100Eミニ先物はアジア時間の取引で一時1.9%安。

住友生命保険の村田正行バランスファンド運用部長は、関連銘柄の下げはDeepSeekへの懸念との見方を示し、大手テック企業がAIに莫大な投資を行い、政府予算のような桁違いの投資コストに見合う収益がどこから出てくるのかという疑問はこれまでもあったと述べた。

インサイト

  • 東証33業種中、31業種が上昇、上昇率上位はゴム製品、陸運、銀行、鉄鋼、医薬品、食料品、輸送用機器など。下落は非鉄金属、電機の2業種
  • MSCIアジア太平洋指数は0.2%高
--取材協力:佐野日出之.

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