債券投資を専門とするRBCブルーベイ・アセット・マネジメントのヘッジファンドは、トランプ米大統領の2期目に予想されるボラティリティーから利益を得る機会があると期待している。

同社の新興国市場クレジットアルファファンドは、同市場にとって厳しい時期に競合ファンドを上回る成績を残した。

2023年の18%のパフォーマンスに続き、24年は21%のリターンを記録。ブルームバーグの指数によると、新興国市場債に投資するヘッジファンドの24年の平均リターンは14%だった。

RBCブルーベイのファンドの運用方針は、債券の借り入れや空売りを容認している。ヘッジファンドにとって典型的なこの戦略は、トランプ氏の任期中に中国やメキシコで予想される市場の混乱時に有用とみられる。

大統領就任後最初の週が進むにつれ、トレーダーたちはトランプ氏が貿易をどのように規制するつもりなのかヒントを得るため発言の内容に神経をとがらせている。

6億ドル(約940億円)規模のクレジットアルファファンドを運用しているアンソニー・ケトル氏(ロンドン在勤)はインタビューで、「今年は米国の政策アジェンダが重要だ」と指摘。

「新興国市場特有の出来事についても、やるべきことはまだたくさんあるだろうが、多くのことは米国の政策アジェンダから生まれるだろう。長期的な機会だけでなく、短期的な機会も生じる」と話した。

苦難の時期

ケトル氏によると、過去5年は新興国市場全体にとって「かなり苦難の時期」だったが、RBCブルーベイのファンドには最良の期間だった。5年間の年率換算で正味11%のリターン達成に貢献した同氏は、全体で最大150億ドルを運用するチームの一員。

「非常にうまくいった理由は、実際には変動の激しい時期だったことだ」とケトル氏は述べた。「ロングでもショートでも利益を上げることができた」という。

もしトランプ氏が米国への輸入品への関税賦課という公約を実行に移せば、「それは大きな市場の混乱を招き、ファンドが資産を極めて安価に買い増す機会となるだろう」と同氏は分析している。

ブラジルやメキシコ、中国といった大きな新興国には、投資家がショートポジションを取れるような活発なクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)市場がある。しかし、ナイジェリアやガーナのようなフロンティア市場や高利回り債など、CDSを活用できない場合は、債券を借りて空売りをすることでボラティリティーを捉えるという。

関税政策

ケトル氏は、アジア通貨市場での大規模なショートポジションを想定している。トランプ氏はアジア以外の国々に対しては比較的寛容だと予想しているからだ。

「関税政策はアジアを標的にする可能性が高いとみており、そのためアジア通貨がドルに対して調整する公算が大きいと考えている。例えば中南米やカナダに対する関税政策は、交渉戦術の一環だと思われる」と語った。

メキシコは、中期的にはトランプ氏の政策から恩恵を受ける可能性さえあると考えているという。

原題:RBC BlueBay Hedge Fund Rides on Trump Volatility for EM Bargains(抜粋)

--取材協力:Nishant Kumar.

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