(ブルームバーグ):米アマゾン・ドット・コムは、カナダのケベック州にある倉庫7カ所をすべて閉鎖し、臨時社員を含む約1900人を解雇する。閉鎖される倉庫のうち1カ所は従業員が1年足らず前に労働組合を結成したばかりで、組合員は組織化を阻止するための動きだと主張している。
アマゾンは今後、同州でモントリオールを拠点とするインテルコム・クーリエ・カナダなどの下請け業者に委託する方針だ。
アマゾンの広報担当者は声明文で「ケベック州での業務を最近見直した結果、2020年まで行っていたような地元の小規模企業を通じた第三者配送モデルに戻しても、今までと変わらぬ素晴らしいサービスを提供できることが判明した」と述べた。
カナダのアマゾン事業で労組が存在するのはケベック州のみ。同州ラバルの倉庫の労組は昨年7月以来、従業員300人を対象とする労働協約を締結するためにアマゾンと交渉を続けていた。
同労組のトップ、キャロライン・セネバル氏は「今回発表された閉鎖が、組合結成の阻止を狙ったキャンペーンの一環であることは間違いない」とし、「断固として受け入れられない」と述べた。
アマゾンはこれに対し、今回の発表は組合結成阻止の試みとは無関係だと述べている。2023年末時点で150万人以上の従業員を抱える同社は、他の地域で倉庫を閉鎖する計画はないと付け加えた。
同社の広報担当者は「決定は軽々しくなされたものではなく、解雇となる従業員には最大14週間の給与と、再就職支援などのパッケージを提供している」と説明した。
カナダのシャンパーニュ・イノベーション・科学・産業相は、アマゾン・カナダの責任者に同社の決定に対する「落胆といら立ち」を伝えたとXに投稿した。
このニュースについては、ラジオ・カナダが先に報じていた。
原題:Amazon to Close Warehouses in Quebec, Eliminating 1,900 Jobs (2)
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