(ブルームバーグ):米シカゴ2位の繁華街リトルビレッジは「中西部のメキシコ」として知られ、普段はメキシコ系の飲食店や食料品店で活気にあふれている。だが、20日午後にはゴーストタウンと化した。
トランプ大統領の就任式後に、シカゴが不法移民取り締まりの標的になるとのうわさが週末に流れ、住民や事業主の間で不安が広がった。不法移民への強硬姿勢を強調するトランプ氏の就任演説が人々の不安にさらに拍車をかける一方、異例の寒さも外出を控える要因となった。
リトルビレッジ地区の中心通りでは客足が激減。地元の商工会議所を率いるジェニファー・アギラー氏によると、一部データでは5割落ち込んだ。21日午前の時点で、多くの店舗が閉まっていた。
「これは破滅的な影響をもたらす」と、アギラー氏は20日のインタビューで語った。「摘発が行われ、人々が外出を恐れるようになれば、その影響は何年も続くだろう」と懸念を示した。
リトルビレッジは、シカゴの主要ビジネス街の南西に位置しており、商業地区としては高級店が並ぶ「マグニフィセントマイル」に次いで2番目に多くの税収をシカゴにもたらしている。
発端は、米移民・税関捜査局(ICE)が21日からシカゴで大規模な不法移民取り締まりを計画しているとの米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)の報道だった。
トランプ政権の国境管理責任者トム・ホーマン氏は21日、CNNとのインタビューで、全米で的を絞った不法移民への取り締まりが行われていると述べ、まずは犯罪者の摘発を優先するが、他にも不法滞在者だと判明すれば身柄を拘束すると説明した。
シカゴ南部でメキシコ料理店3店舗を経営し、70人以上を雇用するメキシコ出身のオーナーは、すでに従業員2人が仕事に来なくなったと明かした。現在は米国の市民権を得ているこの経営者の男性は、匿名を条件に取材に応じた。従業員全員に欠勤する選択肢を与えたという。
「ここで25年間働いて多くのことを見てきたが、こんなことは一度もなかった」と20日のインタビューで打ち明け、「この状況をどう乗り切るかが問題だ。従業員だけでなく、顧客全体についてもだ」と語った。
原題:Threat of Immigration Raid Turns Chicago Hub Into Ghost Town (2)(抜粋)
--取材協力:Isis Almeida、Sam Hall.
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