(ブルームバーグ):ドナルド・トランプ氏は20日、第47代米大統領として2回目の就任宣誓に臨み、大統領権限を速やかに広範囲に行使すると予想される。関係者によれば、トランプ氏は就任後数日以内に一連の行政措置に署名し、不法移民の大量強制送還や連邦職員の採用凍結、連邦所有地での新たな採掘許可に道を開く予定だ。その多くは、バイデン大統領が進めてきた措置を覆すことにつながる。
大統領の行政措置は、議会の関与なしに米国の統治の方向を瞬時に変えることが可能だ。一部の批判的な人々は乱用もあり得ると不安視する。
大統領の行政措置とは何か
最も正式でよく知られているのは「大統領令(行政命令)」だ。法的拘束力を伴う命令で、連邦政府の行政機関に対し、現行の連邦法をどのように施行するか指示する。連番が付けられ、連邦官報に掲載される。就任後数時間以内に100本近い大統領令に署名するとトランプ氏は19日夜に語った。
大統領令に似ているが、連邦官報に掲載する必要のない大統領覚書や、連邦の行事のような事項を通常取り扱う布告も発令できる。布告は大統領令や覚書と異なり、普通は法的効力を持たない。
米国憲法は大統領令や他の行政措置に明確に言及していないが、大統領には政府の日常的運営など、権限を有する政策分野で発令権が与えられているというのが、法律上のコンセンサスだ。大統領に新たな権限を与えるために大統領令を用いることはできない。
大統領令は阻止できるか
大統領の憲法上の権限に適切に根ざした行政措置を議会が覆すことはできないが、大統領が設置したプログラムや部署の予算を認めず、実行できなくすることは可能だ。例えば、オバマ大統領(当時)がキューバ・グアンタナモ米軍基地内の収容所を閉鎖する大統領令を発令した際、米国への収容者移送のための予算を議会が阻止し、断念せざるを得なくなった。
大統領令の影響を受ける当事者が異議を申し立て、裁判所が原告の主張を認める場合、違法と認定される可能性もある。
トランプ政権1期目はどうだったか
カリフォルニア大学サンタバーバラ校の「米大統領プロジェクト」によると、トランプ政権1期目は合計220(年平均55)の大統領令(覚書や布告は含まず)が発令された。
歴代大統領の年平均を比較すると、バイデン氏が約40(合計159)、オバマ氏が約35、ジョージ・W・ブッシュ氏が約36、ビル・クリントン氏が約46だった。トランプ氏の年平均は、ジミー・カーター氏以来で最も多いが、歴代最高というわけではない。フランクリン・D・ルーズベルト大統領の発令数は、3721(年平均307)に達した。
原題:How US Presidents Wield Power With Executive Orders: QuickTake(抜粋)
もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
©2025 Bloomberg L.P.