米ロサンゼルス西部に位置する高校「パリセーズ・チャーター・ハイスクール」の教職員は、対面での授業を再開できるよう一時的な拠点の確保に取り組んでいる。

ハリウッド映画のロケ地として知られる同校は、南カリフォルニアで広範囲にわたり猛威を振るっている山火事で建物の40%余りが被害を受けた。

パム・マギー校長は声明で、同校は「被災地域の中心に位置し、あらゆる面で壊滅的な損害を被っている」と説明。「学校周辺の何千もの住宅や店舗が崩れ落ちた。われわれは再建を始めなければならない」と表明した。

パリセーズ・チャーターは、ホラー映画「キャリー」やコメディー映画「フリーキー・フライデー」などハリウッド作品の撮影地として知られる。

ロサンゼルス郡では、山火事により少なくとも9校が深刻な被害を受けており、同校はそのうちの1校。カリフォルニア州教育局が提供したデータによると、13日時点で少なくとも38校が休校となり、約2万3000人の生徒が自宅待機した。

同郡のデブラ・ドゥアルド教育長によれば、多くの教職員が避難しているため、一部の学校では今週も引き続き休校となっている。火災が続く中で、多数の地区で被害状況を引き続き調査しているという。

再び強風が予想され、山火事が再拡大する恐れがあるとして地元当局は警戒を強めている

今回の山火事による壊滅的な被害を受けて、南カリフォルニアでは教育・行政関係者や保護者らが学校の再開や学習機会の損失軽減、被災家族への支援に向け動いている。

この火災で新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)に伴い2020年3月に始まったロックダウン(都市封鎖)による混乱という痛ましい記憶を呼び起こす住民も多い。

ドゥアルド氏は、「われわれはパンデミックから学んだ。子どもたちが教師や同級生、学校での授業から離れることは良いことではないと理解している」と指摘し、「リモート学習を強いられる生徒が出ないようにすることが目標だと考えている」と述べた。

ドゥアルド氏とロサンゼルス郡教育局は、メンタルヘルスをケアするサービスの提供や生徒の出席率低下による資金面での問題を回避する方法について各学区に情報提供を行っているほか、学校側と協力して高性能マスクなどの安全装備の確保に努めている。

原題:LA Schools Rush to Reopen as Memories of Covid Disruption Linger(抜粋)

--取材協力:Alicia Clanton.

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