1月3週(14-17日)の日本株は強含む見込み。8日から下げ相場が続いているため、揺り戻しが出やすい。米国では金利上昇が一服し、グロース(成長)銘柄を中心に値動きが軽くなりそうだ。

1月2週は米国で堅調な経済指標を背景にインフレ再燃への懸念が高まり、利下げ観測が後退。米長期金利の上昇に伴い、国内市場でも幅広い銘柄に売りが広がった。東証株価指数(TOPIX)は週間で2.5%安と続落した。

米経済指標で物価上昇の鈍化が確認されれば、金利高の勢いは弱まり、株式相場は下げ止まりそうだ。米労働省が15日に発表する米消費者物価指数(CPI、2024年12月)で、変動の大きい食品とエネルギーを除くコア指数の市場予想は前月比0.2%上昇。0.3%上昇した11月から伸びは縮小する見込みだ。14日には米生産者物価指数(PPI)の発表もある。

15日からは米銀行大手の決算発表があり、株高や堅調な景気を背景に好業績が期待できそうだ。15日にJPモルガン・チェース、ゴールドマン・サックス、16日にバンク・オブ・アメリカ(BofA)、モルガン・スタンレーが開示する。

国内では、日本銀行が24日に公表する金融政策への関心が徐々に高まりそうだ。氷見野良三副総裁は14日の金融経済懇談会で講演し、記者会見を開く予定だ。

《市場関係者の見方》

大和証券の坪井裕豪チーフストラテジスト

前の週に乱高下した反動が出て、日本株は緩やかに上昇するだろう。トランプ氏の大統領就任や日銀の金融政策決定会合を翌週に控え、大きな相場変動は起きにくい。米銀大手の決算では経営幹部らが景気の見通しは良いと言及すれば、日本にも企業業績への期待を通じて株式市場へ波及効果がありそうだ。半面、氷見野日銀副総裁の記者会見で1月の利上げ観測を高める発言があれば、外国為替相場の円高によって日本株の上値はいったん重くなる可能性があるため注意が必要だ。

しんきんアセットマネジメント投信の藤原直樹シニアファンドマネジャー

米国はCPIでよほど強い発表がない限り、金利の上昇は収まりそうだ。市場予想を下回る結果となった場合は米金利が低下し、日本株の追い風になりやすい。国内金利がピークアウトする可能性があることも、相場の支えになるだろう。日銀の金融政策は賃上げや米国経済を見極めたいという姿勢を踏まえると、1月の利上げは見送る可能性が高く、金利の上昇余地は小さい。

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