米原子力規制委員会(NRC)のハンソン委員長が原子炉の認可プロセスを効率化し、原子力発電所の建設を加速させる考えを示した。

同委員長はインタビューで、「われわれはもっと効率的になれる」と語った。米国内の既存原子炉94基の監督と新設認可を担うNRCのトップによるこうした方針転換を示唆する発言は注目される。

米国の電力消費は今後急増する見込みで、クリーンな原子力発電への関心が高まっている。しかし、決定まで数年を要するNRCの認可プロセスは米国の原子力発電容量拡大への大きな障害となっていた。

投資家が新設の大型原子炉への出資に消極的なことから、ハンソン委員長は銀行関係者と面談し、認可の迅速化と改善が可能だと説得に努めてきた。「規制リスクは市場で過大評価されている。ゼロだとは言わないが、リスクが適切に評価されることを望む」と同委員長は話した。

原子炉を巡る主なリスクはライセンス申請の承認に時間がかかることと、承認に要する期間の見通しがつかないことだ。

NRCが最近承認した大型原子力プロジェクトは、サザンが所有するボーグル原発の原子炉2基だったが、新たな設計が採用されていたため承認まで4年近くかかった。ただ、NRCがこうした設計を十分理解したことから、今後はより短期間で承認可能になると予想される。

より安価かつ短い期間で建設できると期待される次世代小型原子炉についても当初は承認まで時間がかかるものの、当局の理解が進んだ後は1年未満での決定が望ましいとハンソン委員長は述べた。

その上で、「エネルギーの必要性と原子力発電への関心は高まっている。NRCはステップアップし、現状に真剣に取り組む必要があるとわれわれは承知している」と語った。

原題:US Nuclear Regulator Pursues ‘More Efficient’ Reactor Approvals(抜粋)

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