円安160円台でも為替介入の可能性が低い理由

その円安と株高は25年も続くのでしょうか。QUICK社が24年12月にエコノミストに対して行った月次調査では、対ドル円相場の最高値が141円台、最安値は162円超、日経平均は最高値が4万3000円台で最安値が3万6000円台でした(いずれも単純平均)。

「160円を超えると為替介入や日銀の利上げも含め何らかの動きが出てくるのでは、という昨年の経験則でこういう数字になっているのだと思います。他方で円高になった場合も140円ぐらいという予想なので、幅は広いですが(一定の変動幅で動く)レンジ相場というイメージでしょう」

「為替介入するかどうかは円が対ドルだけでなくヨーロッパの通貨などと比べても独歩安かどうかも重要です。昨年160円につけたときと比べると円だけ弱いという感じではないものの、160円を超えるのが政治的に許容できないという話になれば、介入はあり得ると思います」

「株価はあまり上値が高くない。強気な人も4万円を超えてどんどん上がっていくというよりは、まずは4万円台を固めていく、というぐらいで見ている印象です」

アメリカ株についてはどうでしょうか。

「今年のアメリカ経済のテーマは“アメリカ1強”が一つのキーワード。トランプ次期米大統領の政策がアメリカ・ファーストということもあり、昨年も結局アメリカ経済が圧倒的に強く、その反対側で中国・ヨーロッパなど経済が不調な国が目立った。やはり25年もアメリカが一番であることはおそらく変わらず、アメリカの株価の方が強気に見ている人は多いと思います」

「ただ年末に金利が上がってきています。ここまで上がってくると株価も耐えられるか不安が出てくる意味では、“金利見合い”でしょうね」

さらに、今年の日本経済の行方を見通すうえでは「需給ギャップ」も注目されていると末廣さんは解説します。