(ブルームバーグ):ロサンゼルスの高級住宅街を猛烈な勢いで襲った山火事で、数千人の住民が避難を余儀なくされた。週末にかけて暴風が続くと予想されている。
7日にロサンゼルス西部のパシフィックパリセーズ地区で発生した火事は急速に広がり、これまでに約3000エーカー(約12平方キロメートル)が焼失した。約3万人に避難命令が出た。
KTLA5のライブ映像では、避難する住民でパリセーズドライブの交通はまひし、車を乗り捨て、炎が燃え移ったヤシの木の間を歩く人の姿が見られた。消防隊員がブルドーザーで路上から車両を撤去する様子も映っていた。
ベニスビーチボードウォークからは、海面近くを飛行して水を補給した空中消火機がパシフィックパリセーズに戻り、散水しているのが見えた。

ベニスに長年住むマイク・カーンズさん(62)は午前11時(日本時間8日午前4時)にパシフィックパリセーズ地区の病院から外に出た時、山に煙が上がっているのに気付いた。約10分後に煙の方向を振り返ると、その下の山全体が燃えていたという。
午後1時40分時点で山火事はまだ収まっておらず、サンタモニカとマリブの沿岸地域に迫った。先月の山火事で住宅・建造物20軒が全焼した地域だ。
火災は、「サンタ・アナ風」と呼ばれる乾いた暴風が南カリフォルニアで近く吹き荒れると見込まれる中で発生した。暴風は最大風速が時速100マイル(約161キロメートル)に達すると予想され、数日間続く可能性がある。この地域では数カ月間、ほとんど降雨がなく、草や低木が燃えやすい状態にある。
カリフォルニア州のニューサム知事は「冬場に山火事が起きる脅威に初めて遭遇するわけではない」とした上で、「カリフォルニア州の全州民に対し、地元当局の指示に留意し、避難命令が出た場合にそれに従えるよう準備するよう求める」と表明した。
米国立気象局(NWS)はカリフォルニア州中央部海岸から米国・メキシコ国境までの地域に対し、火災のリスク上昇を警告するレッドフラッグ警報を発令した。警報の最も深刻なレベルを示す「特に危険な状況」の対象に、ビバリーヒルズ、ハリウッドヒルズ、マリブ、人口密集地サンフェルナンドバレーを挙げた。
原題:Thousands Flee Los Angeles Fire as Dangerous Winds Whip Region、Palisades Fire Burns Homes in Wealthy Los Angeles Neighborhood(抜粋)
--取材協力:John Gittelsohn、Skylar Woodhouse.
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