(ブルームバーグ):12月第4週(23-27日)の債券相場は、長期金利の低下(価格上昇)が予想されている。日本銀行の植田和男総裁が19日の金融政策決定会合後の会見で早期の追加利上げに慎重な姿勢を示し、利上げの後ずれを見込む買いが継続しそうだ。
市場参加者の見方
◎アクサ・インベストメント・マネージャーズの木村龍太郎債券ストラテジスト
- 長期金利はやや低下か。植田総裁の会見内容は市場の期待よりも利上げに消極的な印象で、1月利上げ期待の剥落を背景に買いが継続しやすい展開になりそうだ
- 日銀が注視する中小企業まで含めた賃上げを踏まえると、3月の大企業の賃上げ率がベンチマークになるとみられ、1月会合では情報が不足しており、金利に上昇圧力は生じしにくい
- ただ、為替の状況などもあり、1月の利上げは完全に排除できない。25日に植田総裁の講演も控え、長期金利が1%割り込むほどの低下も見込みにくい
- 新発10年国債利回りの予想レンジは1.0-1.07%
◎岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジスト
- 日銀は慎重に利上げを進める見通しで、投資家の押し目買い姿勢や日銀の国債買い入れオペに支えられ、急速な利回り上昇は見込みづらい
- 年末年始は投資家の動きもやや鈍化する見通し。10年国債利回りは引き続き1.0%台で推移しよう
- 27日に日銀が1-3月期の長期国債買い入れ予定を公表する。1月からは毎月の国債買い入れ額が4000億円減額されるが、残存期間10年以下の国債が対象となり、需給悪化懸念が高まることはないだろう
- 新発10年国債利回りの予想レンジは1.0-1.08%
国債入札
日銀買い入れ
主な材料
- 24日:日銀、金融政策決定会合の議事要旨(10月30、31日開催分)
- 24日:日銀、基調的なインフレ率を捕捉するための指標
- 25日:植田日銀総裁が経団連審議員会で講演
- 27日:12月の東京都区部消費者物価指数(CPI)
- 27日:日銀、金融政策決定会合における主な意見(12月18、19日開催分)
- 27日:日銀、1-3月国債買い入れ予定
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