インドの金輸入が11月に急激に増えたのは計算ミスが原因だったと、事情に詳しい複数の関係者が明かした。金輸入急増で同月の同国貿易赤字は過去最大に拡大し、通貨ルピーを過去最安値に押し下げた。

同関係者らによれば、7月の集計方法の変更後、当局者が倉庫内の金出荷を二重に計算していたという。正式な説明の発表前であることを理由に匿名を条件に述べた。一部の関係者によると、11月の数量は最大50トンも過大に見積もられていた可能性があり、これは同月の金輸入総量の約30%に相当する。データを修正する作業が行われているという。

計算ミスが認められた場合、貿易統計は修正され、ルピー相場にもある程度の調整が入るかもしれない。また、同国の経済状態に関する過熱した臆測も沈静化するだろう。エコノミストらは、金購入の急増が強い不安とインフレヘッジの必要性を示すものなのか、それとも豊作による活況を示す動きなのか、頭を悩ませていた。

野村ホールディングスのアナリスト、ソナル・バルマ氏とオーロディープ・ナンディ氏は、貿易統計発表後に作成したリポートで、「今年11月の金輸入増加の理由は(インドの)祝祭に伴う需要だけでは説明できない」とし、われわれの「知らない何らかの理由による金購入の大幅な増加」を示していると指摘した。

インドの貿易収支は11月、過去最大の378億ドル(約5兆8700億円)の赤字となった。金輸入額が前年同期の34億4000万ドルから148億ドルへと4倍に増加したことが主因。政府が7月に金の関税率を15%から6%に引き下げて以来、金輸入額は着実に増加していたが、11月の急増はアナリストを困惑させた。

原題:India’s Record Gold Import Said to Be Due to Calculation Error(抜粋)

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