巨大な鉄鉱石運搬船が、風力を利用した推進補助装置を搭載した最大級の船舶へと変貌した。燃料費と二酸化炭素(CO2)排出の削減に取り組む海運業界にとって、小さいながらも新たな一歩だ。

載貨重量40万トン級の運搬船「ソハール・マックス」は10月、高さ35メートルの風力推進補助装置「ローターセイル」5基を搭載するため中国の造船所で改修が施された。改修は中国遠洋海運集団(COSCO)傘下の舟山中遠海運重工が担当した。

これにより同船の燃料消費量を最大6%、CO2排出を年間で最大3000トン削減できる見込みだ。

ローターセイルを製造したアネモイ・マリン・テクノロジーズの最高製造・パートナーシップ責任者、ニック・コントプロス氏は、「風力推進補助装置の採用は確実に増加しており、ローターセイルだけでなく、他の技術も活用されている」と述べた。

風力推進補助装置「ローターセイル」を搭載した運搬船「ソハール・マックス」

海運業界は排出削減に向け規制当局からの圧力にさらされている。ローターセイルはまだ比較的新しい技術で、風力技術全般の成功は最終的には荷主の費用を減らすことができるかどうかにかかっている。

荷主が石油からより環境に優しい船舶用代替燃料への移行を進めれば、脱炭素化に向けたビジネス環境が大幅に改善される可能性が高い。

原題:Giant Iron Ore Carrier Fitted With Sails in Effort to Cut Carbon、Biggest Ship Yet Gets Tech to Harness Wind and Cut Emissions(抜粋)

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