フランスの内閣が不信任決議案可決で倒れたことを受け、ユーロへの逆風が強まっている。政治の混乱が長期化するとの警戒感が市場で高まっている。

フランス国民議会(下院)は4日、バルニエ首相率いる内閣への不信任決議案を賛成多数で可決した。左派連合「新人民戦線」に加え、最大議席を持つ極右・国民連合(RN)も支持に回った。

バークレイズの通貨ストラテジスト、スカイラー・モンゴメリー・コーニング氏(ニューヨーク在勤)は「フランスの政治は長期にわたる不安定な時期に入ろうとしている。これはユーロにとって逆風としか考えられない」と話す。

不信任決議案の可決はすでに市場に織り込まれており、フランス国債先物は投票後も上昇を維持した。ユーロ・ドル相場のオーバーナイト・ボラティリティー(変動率)の指標も低水準にとどまった。

結果が予想に沿ったものだったとはいえ、フランスは未知の領域に足を踏み入れており、財政赤字の抑制も妨げることになる。財政赤字は今年、対国内総生産(GDP)比で6%強まで拡大すると予測されているが、これは欧州連合(EU)が定める上限の2倍に相当する。欧州中央銀行(ECB)の追加緩和が市場で織り込まれる中でユーロへのさらなる重しになることも懸念されている。

ダブルライン・キャピタルのポートフォリオマネジャー、ビル・キャンベル氏は、「フランスの最近の動きは、総じて同国およびEU全体にとって逆風を強めるだけだ」と話す。

市場を揺るがすフランスの政治の混乱は、マクロン大統領がフランス国民議会(下院)選挙を発表した6月に始まったものだ。それ以来、ユーロは対ドルで約2.7%下落し、10カ国・地域(G10)通貨の一部にアンダーパフォームしている。

フランス債とドイツ債のスプレッドも拡大し、先週は一時ユーロ圏債務危機以来となる90ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)に達した。

スコシアバンクのチーフ通貨ストラテジスト、ショーン・オズボーン氏は不信任決議案の可決について「予算案を通すためさらなる譲歩が必要となり、財政政策全体が弱体化する」ことになる可能性が高いと指摘。予算の期限を考慮すると「状況が深刻化した場合、ユーロは一段と大きな圧力を受ける可能性がある」と語った。

原題:Euro’s Outlook Gets Even Murkier After French Government Falls(抜粋)

--取材協力:Carter Johnson、Anya Andrianova、Kristine Aquino.

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