韓国の尹錫悦大統領が12月3日に「非常戒厳」を宣布したことは、国内外に衝撃が走ったが、同国には戒厳令と軍の支配の歴史がある。

今回のケースでは、文民政府停止の試みは短命に終わった。韓国国会が戒厳令解除を要求する決議案を可決した後、尹大統領は最初の発表から数時間後に国会の決議に従うと述べた。

ここで戒厳令の歴史について簡単に振り返ってみる。

韓国で戒厳令が前回宣布されたのはいつか?

1961年に軍事クーデターを起こし、後に大統領に就任した朴正煕が79年10月26日に暗殺されたことを受け、翌27日に崔圭夏首相が戒厳令を宣布した。

大統領に就任した崔圭夏氏は全斗煥将軍率いる軍部の圧力を受け、80年にかけ戒厳令を延長し政党を禁止したため、民主化推進派の反発を招いた。 81年に国民投票を経て戒厳令が解除されるまで弾圧で数百人が犠牲となった。

政党活動が再び許可され、87年にその他の市民権も回復。現大統領が緊急の全国向けテレビ演説で戒厳令を宣布するまで、民主主義の時代が続いた。

「戒厳令停止を」と唱えて韓国国会の外に集まったデモ参加者(12月4日)

他に戒厳令が宣布された事例は?

最初の戒厳令は1948年で、大韓民国の正式な成立から数カ月後だった。初代大統領の李承晩氏が米軍と協力して共産主義者による軍事反乱を鎮圧するために宣布した。同氏は朝鮮戦争中の52年にも再び宣布した。その後、軍事クーデターが頻発する激動の時代に、さまざまな政権が戒厳令を何度も宣布した。

韓国における戒厳令とは?

大統領は、戦争や武力衝突、その他の国家非常事態の場合、憲法に基づき戒厳令を宣布する権限を有する。

韓国には、非常戒厳と警備戒厳の2種類の戒厳令がある。尹大統領が発令した非常戒厳は、報道の自由や集会を制限するなど、政府に広範な権限を付与する。

大統領は戒厳令を宣布した後、国会に通知が必要。直近の事例のように、国会が多数決で戒厳令の解除を要求した場合、大統領は従わねばならない。

非常戒厳令を宣布する尹大統領

原題:Military Rule in South Korea Is Shocking But Not New: QuickTake(抜粋)

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