タイ証券取引所(SET)は、増加している企業の不正に対処するため、人工知能(AI)ツールを使って上場企業の監視を強化する計画だ。

タイ証取のプレジデント、アサデート・コンシリ氏は、AIの導入により、異常な株価の動きや取引の発生を迅速に発見し、投資家に通知することが可能になると指摘。警告や対応の遅れはタイの株式市場に対する投資家の信頼が低下している理由の一つだと述べた。

28日の記者会見で「われわれが監視しなければならない上場企業による不正行為の可能性に関する日々のニュースやリポートは最大300件にも及ぶ。AIは間違いなく、監視スタッフの負担を軽減し、より迅速な警告を実現する」とコメントした。

エナジー・アブソリュートやスタークなどによる不正疑惑を巡る幾つかの調査が注目を集めていることを受け、タイ当局は自国の資本市場に対する監視を強化している。企業のスキャンダルや違法な空売りを巡る懸念、政治的混乱でセンチメントが悪化し、タイの株価指数は東南アジア各国の株価指数の大半に引き続き後れを取っている。

アサデート氏はまた、3カ年戦略の一環として上場企業の評価押し上げと株主還元の拡充に向けて新たなプログラムを実施する計画を改めて確認。企業は投資家の関心を引きつけるために業務やコミュニケーションの改善につながる相談や助言を受けることになると述べた。

さらに投資家の選択肢を拡充するために債券やカーボンクレジットも促進すると話した。

原題:Thai Exchange to Use AI to Improve Oversight of Listed Firms(抜粋)

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