(ブルームバーグ):ブラジルのリオデジャネイロの名所シュガーローフ・マウンテンの素晴らしい眺めを背景に、輝く太陽と澄み切った青空の下、主要20カ国・地域(G20)の首脳らは「家族写真」の撮影のために一堂に会した。ただ一つだけ問題があった。バイデン米大統領の姿が見当たらないのだ。
G20首脳会議(サミット)が18日から開幕し、恒例の集合写真が撮影されたが、バイデン氏のほか、カナダのトルドー首相、イタリアのメローニ首相が参加しなかったことで笑いぐさとなった。
3人の不在が明らかになったのは議長国を務めるブラジルのルラ大統領を中心に首脳らが写真撮影を行った後だ。
これはロシアのプーチン大統領の代理としてラブロフ外相が参加したことに対する抗議なのか。それとも2国間の首脳会談が長引いたためなのか。
結局、手違いが理由だったようだ。
匿名を条件に語った米高官の1人は手配上の問題があり集合写真が早めに撮影されたと非難。バイデン氏の不参加は抗議ではないとコメントした。
ブラジルの主催者側はバイデン氏らが撮影時間に遅れたと主張している。主催者側はもう一度、各国首脳全員を集めて撮り直しを試みるかもしれないが、そうなればG20史上初となる。
このような事態が象徴しているのは明白だ。各国首脳間の団結が欠けており、今回のサミットで全員の意見を一致させることがいかに難しいかを映し出している。
大統領の任期が残り2カ月となった今、バイデン氏のサミットでの存在感は薄かったが、レームダック化は同氏だけではない。
フランスのマクロン大統領は有権者から痛烈な批判を受けている。ドイツのショルツ首相は総選挙を前倒しで実施する見込みだが、政権の座を追われる可能性が高い。
つまり、西側諸国は混乱状態にあるといえる。
こうした中、今回の集合写真では中国の習近平国家主席がセンター寄りの立ち位置を確保した。ルラ大統領の両隣には、前回のG20サミット開催国であるインドのモディ首相と次回の開催国である南アフリカ共和国のラマポーザ大統領が並んだ。
ルラ大統領にとって悩みの種となっているアルゼンチンのミレイ大統領はマクロン大統領とともにルラ大統領のすぐ後ろに陣取った。ミレイ、マクロン両氏は今回のサミットで絆を深めたようだ。
一方、ラブロフ氏は一番後方でサウジアラビア外相の隣にひっそりとたたずんでいた。
以前、人権問題などで中国を公の場で非難していた英国のスターマー首相は最前列を確保したが、習主席との間にオーストラリアのアルバニージー首相を挟んで慎重に接触を避けており、両者間の関係が冷え込んでいるのは明らかだった。
集合写真の撮影時に最も印象的だった瞬間の一つは、マクロン氏がラブロフ氏のところまで歩み寄り、短く握手を交わす場面だった。
原題:Where Was Biden? The G-20 Photo Shows Him Out of The Picture (1)(抜粋)
--取材協力:Justin Sink、Brian Platt.
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