(ブルームバーグ):米国の財政赤字は、新会計年度の最初の月にさらに拡大した。利払い額の伸びは鈍化したが、主に医療と国防支出増加が赤字を押し上げた。
米財務省の13日の発表によると、日数調整後の10月の財政赤字は1210億ドル(約18兆9000億円)。前年同月比で89%増だが、繰り延べられた税金が納入された前年のゆがみを考慮すると、22%増にとどまると当局者は指摘した。
この数字は、米国の公的債務抑制を掲げる人たちに非常に大きな課題を突きつけるものだ。トランプ次期大統領は歳出削減の方法を検討するため、実業家のイーロン・マスク氏とビベック・ラマスワミ氏を起用した。ただ支出の多くは政治的に対応が難しそうな分野であることが判明している。
財政赤字拡大の主因として厚生省と国防総省の支出増があり、日数調整後でそれぞれ12%、13%増えた。医療分野の支出だけで前年同月を620億ドル上回った。
ここしばらくの傾向とは対照的に、10月の利払い額は若干の増加にとどまった。10月は差し引きで800億ドル。前年同月は760億ドルだった。米金融当局が近年、急ピッチで進めた利上げを受け、前年度には利払い負担が28年ぶりの高水準に急増していた。
原題:US Sees Wider Budget Gap at Fiscal Year Start on Health Spending(抜粋)
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