銀行口座を持つ米世帯のうち、日常的な銀行取引に主として携帯電話を使用している割合は48.3%と、過去最高に達したことが、 連邦預金保険公社(FDIC)の最新調査で分かった。パソコンやタブレットを合わせると、2023年は米世帯の3分の2余りがデジタルバンキングを選好した。

FDICの「銀行口座を持たない世帯の調査」は、市民が銀行・金融サービスをどのように利用しているかを2年ごとに調べるもので、FDICの目標である「経済的包摂の拡大」の一環として実施された。

全体としてモバイルバンキングの普及は進んでいるが、高齢世帯や低所得世帯ではスマートフォン経由での銀行利用が少ないと、FDICは指摘。「これら世帯の多くは既に銀行口座を持っているが、銀行取引に関する技術の進展についていけない、あるいはついていく気がないと受け取られた場合、関心を失う恐れがある」とし、早期利用者向けの対応に傾斜し過ぎないよう銀行に警鐘を鳴らした。

調査では、銀行口座を持たず、結果的に小切手現金化やペイデイローン(給料を実質的に担保とする短期小口融資)など割高な金融商品・サービスに頼らざるを得ないとみられる世帯に重点が置かれた。

銀行口座を持たない世帯の割合は11年の8%超から21年に4.5%と着実に低下した後、全体として横ばいにとどまった。黒人世帯で小幅低下する一方、アメリカ先住民やアラスカ先住民世帯では顕著な上昇が見られた。

FDICのグルーエンバーグ総裁は「安全で手頃な銀行口座へのアクセスは、消費者がわが国の経済に参加し、その恩恵を受ける上で不可欠だ」とした上で、「今回の調査では、マイノリティーや低所得層、障害者、ひとり親の世帯について銀行システムへのアクセスで大きな格差がなお存在し、対応が必要なことが判明した」と指摘した。

原題:Americans’ Reliance on Mobile Banking, Short-Term Funding Climbs(抜粋)

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