米原油市場の重要拠点で供給過多を示すシグナルが点滅し、一部の予想より早く供給過剰が起きる可能性が出てきた。

ウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物市場では、期近11月限の価格が期先12月限に対し、今年1月以降で初めて順ざやになっている。

米石油生産の増加と中国需要の弱さ、石油輸出国機構(OPEC)と非OPEC主要産油国で構成する「OPECプラス」の供給回復見通しを手掛かりにトレーダーは2025年の供給過剰に備えていた。

これほど早く順ざやになったことは、WTI原油の主要な受け渡し場所、オクラホマ州クッシングの原油貯蔵施設で、供給量増加が既に見込まれる状況を示唆する。

現物市場の弱さは、先物市場にも波及し始め、8日のWTI期近2限月の価格差は6月以降で最も縮小して取引を終えた。

順ざやは貯蔵施設を利用できる場合、トレーダーが原油を貯蔵しておいて、より高い価格で後日売却する動機付けになる。だが8日の順ざやの価格差は比較的小さく、こうした行動が広範囲に及ぶ可能性は低い。

順ざやでは、投資家は期近物から期先物に乗り換える際に損失を被ることになる。

原題:Key Corner of US Oil Market Signals Sooner-Than-Expected Glut(抜粋)

--取材協力:Lucia Kassai.

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