電気自動車(EV)メーカー、米テスラの運転支援システムに欠陥がないかどうかの調査を先月始めた米当局だが、実はその数カ月前から、ソーシャルメディア上での同システムの宣伝内容の妥当性に関してテスラに警告していた。

運輸省道路交通安全局(NHTSA)はテスラ担当者に5月半ばに送付した電子メールで、X(旧ツイッター)上に掲載された7つの投稿を同社が拡散したことを問題視。

これらの投稿は、テスラの運転支援システム「オートパイロット」を「FSD(フルセルフドライビング)」だと称し、注意散漫でも運転できるとしていた。Xは、テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)がオーナー。

この電子メールは調査決定の数カ月前から、NHTSAがテスラとFSDをいかに注意深く監視していたかを示している。電子メールは、欠陥調査局のグレゴリー・マグノ氏が大統領選投票日の11月5日付でテスラに送ったディスクロージャー(情報開示)要請の書簡に含まれていた。

同氏はこの中で、「テスラの投稿はドライバーが動的運転タスク(DDT)を継続的にコントロールすべきであるという同社のメッセージと矛盾しているとわれわれは考えている」と指摘。

その上で、「これらの投稿は、FSDを、ドライバーが絶えず注意を払い、時折介入する必要がある部分的な自動運転/運転支援システムではなく、運転手付きのハイヤーや『ロボタクシー』として見なすよう視聴者を促す可能性がある」と警鐘を鳴らした。

NHTSAは10月、テスラがFSDとして販売する一部自動運転システムのEVが1件の死亡事故を含む複数の衝突事故を起こしたことを巡り、このシステムに欠陥がないかどうか調査を開始した。

マグノ氏によると、NHTSAはテスラに対しどのようにFSDの無料トライアルの提供を開始したかをNHTSAの技術スタッフに説明するよう求めていた。同社はこれに応じ、テスラ車が自律走行車ではないことをドライバーに伝える方法を強調したとも記している。

NHTSAへの説明の前後で、テスラはマグノ氏が問題があると指摘した内容をXに投稿した。同氏が挙げた例には以下のようなものがある。

  • テスラのスポーツタイプ多目的車(SUV)オーナーが、軽い心臓発作に耐えながらFSDを使い病院に行ったと投稿
  • スポーツイベントの駐車場からFSDを使って運転したテスラ車オーナーの動画に、第三者のコメントとして「飲酒運転で無事に帰宅できる人が増えると予想できる」という書き込みがあった
  • テスラ車のドライバーが周囲への注意を怠っていたことを認める動画

「テスラは自社の判断で一般の人々とコミュニケーションを取る権利があるが、これらの投稿は、適正な使用方法に関する注意事項で新製品への熱狂を和らげる機会を逸していることを示している」とマグノ氏は論じた。

テスラは、この電子メールに関するコメント要請に応じなかった。

NHTSAは、テスラの運転支援システムが霧やその他の視界低下状態を検知し、適切に対応する能力があるかどうかを見極めている。NHTSAはFSDに関する一連の質問に回答する期限を12月18日としている。

原題:Tesla Was Told to Temper Robotaxi Fervor Months Before US Probe(抜粋)

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