(ブルームバーグ):11月の米大統領選の結果に候補者のいずれかが異議を唱えるリスクを、市場は過少評価していると、ブラックロック・インベストメント・インスティテュートのマネジングディレクター、ジャン・ボアバン氏は指摘した。
勝利の真偽が問われる事態となれば「数週間に及ぶ極めて混乱を招く法廷闘争」につながり、資産を揺るがす恐れがあると、ボアバン氏はみている。米国債は既に売りを浴びており、ベンチマーク利回りは今月に入ってから40ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)余り上昇。一方で、株式相場は過去最高値付近での推移が続いている。
米選挙のトレードを試みるのは「愚か者の行い」であり、「注目すべきは、結果に異議が唱えられるシナリオの方だ」とボアバン氏はブルームバーグテレビジョンとのインタビューで発言。「それが価格に織り込まれているとは思えない。もし何らかのシナリオに備えたいのであれば、その展開だ。それは市場にとって悪いシナリオの一つだ」と話した。
賭け市場ではここ数日、トランプ氏の勝利がますます予想されるようになってきている。その可能性が高まっているとの見方から、ドル指数は3カ月ぶりの高値を付け、月間ベースで2022年以来の大幅高となる勢いだ。スタンダードチャータードでは、この動きのおよそ60%はトランプ氏勝利の可能性に起因すると計算している。
原題:BlackRock’s Boivin Says Disputed US Election Is Underpriced Risk(抜粋)
--取材協力:Tom Mackenzie.
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