世界の債券発行額(地方債、社債、仕組み債含む)は、2024年に前年比17%増の約9兆ドル(約1370億円)に達する見通しだ。S&Pグローバル・レーティングが7-9月(第3四半期)に加速した発行ペースが維持される可能性が高いとして、従来の予想を上方修正した。

23日付の同社リポートによると、25年の発行は4%増に鈍化する見込み。比較対象となる今年の予想発行規模が大きいことや、経済成長の減速見通しなどを理由に挙げた。

S&Pのニック・クレーマー氏を含むクレジット調査アナリストらはリポートで、「金利低下が企業の合併・買収(M&A)増加や成長志向に伴う債券需要を促す可能性がある」と説明。中央銀行による来年の利下げを巡っては、「おおむねコンセンサス」が形成されており、これが発行の押し上げにつながる可能性が高いという。

S&Pが7月に示した今年の発行額予想は9%増の8兆3000億ドル程度だった。今後数年間は、償還期限の到来や中国の景気刺激策、人工知能(AI)向け投資の拡大が世界の債券発行を後押しすることになりそうだとの見通しを示した。

25年の予測に対するリスクとしては、インフレへの影響や利下げのペース鈍化あるいは休止につながりかねない国際貿易への脅威を一因に挙げた。

原題:S&P Revises Up 2024 Global Bond Issuance Forecast to $9 Trillion(抜粋)

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