(ブルームバーグ):日経平均株価の日足チャートで終値が始値を下回る「陰線」が12年ぶりの連続記録となり、日本株への買いが続かない。衆院選を前に「選挙は買い」という目論見(もくろみ)が外れた格好だ。
日経平均は10月8日から9日連続で陰線が続いている。野田佳彦首相で民主党政権だった2012年5月16日までの13日連続以来。東証株価指数(TOPIX)も9日連続の陰線で、21年10月8日までの10日連続以来。取引開始時に買っても終値時点で損失が発生する状況が続いており、買いの勢いが続かないことや売り圧力が強いこと弱さを示唆する。

27日投開票の衆院選で自民、公明の与党過半数維持は微妙との情勢調査が報じられた。経済対策への期待から「選挙は買い」とのアノマリー(経験則)があるが、与党苦戦の観測から買いが続かない。企業決算や米大統領選も控えて様子見に拍車が掛かる。前回の陰線記録後に日経平均は6月安値に向かった後、12年末の自民党の政権復活前後からアベノミクス相場に入っていった。
東洋証券の大塚竜太ストラテジストは「『選挙は買い』として期待感から買いを入れた向きが、衆院選での自民苦戦観測で投げている」として「政治不安定を株価は織り込んでいる」と述べた。需給面では持ち合い解消とみられる売りが重しで、一方的に売り崩すまでの動きもないため陰線が継続しやすい相場環境だとみていた。
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