米オープンAIのサム・アルトマン最高経営責任者(CEO)の支援下で次世代原子力発電所を開発する新興企業オクロの株価は先週1週間で約2倍となった。電力業界に関連する銘柄に投資家が殺到した。

オクロは5月に特別買収目的会社(SPAC)との合併を通じて上場。ディールメーカーのマイケル・クライン氏も同社を支援している。米アマゾン・ドット・コム、資産家で投資家のケン・グリフィン氏、アルファベット傘下グーグルが次世代原発会社への投資を発表したことが、先週の株価上昇の要因となった。

オクロの株価は上場後に荒い値動きとなっており、9月9日には5.35ドルまで下落したが、その後の1カ月半で3倍超に値上がり。先週18日には前週末の終値9.15ドルを大きく上回る20.64ドルの日中高値を付け、時価総額は24億ドル(約3580億円)を超えた。

カリフォルニア州サンタクララに拠点を置くオクロは、電力消費量の多いデータセンターのブームをけん引する人工知能(AI)などコンピューティング需要急増の恩恵を受けている。

ただ、オクロの原子炉が運転可能になるまでまだ何年もかかる見通しだ。同社は2020年代末までに稼働できる可能性が高いと説明している。

それにもかかわらず、同社株はアルトマン氏やクライン氏らに含み益をもたらしている。ブルームバーグと規制当局への届け出のデータによると、アルトマン氏は約320万株(18日の取引時点で約6000万ドル相当)、クライン氏は1400万株近く(同2億6000万ドル強相当)をそれぞれ保有している。

原題:Altman-Backed Nuclear Stock Doubles in Value on AI Power Demand(抜粋)

--取材協力:Matt Turner.

もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp

©2024 Bloomberg L.P.