米アルファベット傘下のグーグルは、生成人工知能(AI)サービス「ジェミニ( Gemini)」の開発チームを傘下のAI開発部門「グーグル・ディープマインド」に移すと発表した。AI開発に取り組むさまざまなグループを統合する計画を継続する。

スンダー・ピチャイ最高経営責任者(CEO)は17日のブログへの投稿で、AI開発の「進捗(しんちょく)ペースを上げ続ける」ために組織構造を簡素化すると指摘。また4年間にわたりグーグルの検索や広告の事業を率いた上級幹部プラバカル・ラガバン氏が同職を退き、グーグルのチーフテクノロジストという新たな職務に就くと明かした。

ラガバン氏の下で検索担当幹部を務めたニック・フォックス氏がグーグルの検索、広告、地図、ショッピングサービスを統括する役職に就く。

長期にわたり世界最大の検索エンジンだったグーグルは過去2年間、生成AIの新たなツールやサービスの展開において、マイクロソフトやオープンAIなどに後れを取っているとの認識を覆そうとしてきた。

ただ、従来の検索モデルを一変する新規参入企業との競争力維持に努める一方、中核の収益源を食いつぶさないように注意する必要がある。ピチャイ氏は投稿で、今回の組織再編を同社のAIに関する進展を合理化する手段と位置付けた。

グーグルユーザーがどのようにAIを活用しているかについて語るピチャイ氏

グーグルは過去半年間でAIに重点を置くチームを統合し、ジェミニを改良してオープンAIやアンソロピックなどに対抗しようと努めてきた。4月にはAI関連の3チームをディープマインドに移管。その後すぐにディープマインドとグーグルリサーチのAI開発チーム「ブレーン」を統合し、グーグル・ディープマインドを新設した。

ディープマインドは2010年にロンドンで学術的な研究機関として設立され、14年にグーグルに買収された。幹部によると最近は学術的な研究から離れ、より製品重視になっているという。

グーグルを巡っては、連邦当局からの反トラスト法(独占禁止法)に関する監視が強まっている。グーグルは8月、オンライン検索や広告市場を違法に独占しているとの米司法省の主張を巡る裁判で敗訴した。また、オンライン広告の売買で使用される技術での支配的地位を乱用したとされる裁判では11月に最終弁論が予定され、年内には判決が下されると見込まれている。

原題:Google Adds Gemini Team to DeepMind in AI Streamlining Push (1)(抜粋)

もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp

©2024 Bloomberg L.P.