日本の輸出は9月に前年比で10カ月ぶりに減少した。米中向けの自動車の不振が響いた。輸出から輸入(2.1%増)を差し引いた貿易収支は2943億円の赤字と3カ月連続のマイナスとなった。財務省が17日発表した。

<輸出>

  • 輸出額は1.7%減と2021年2月(4.5%減)以来の減少幅-市場予想0.9%増
  • 数量ベースでは6.9%減-8カ月連続マイナス
  • 増加品目:半導体等製造装置
  • 減少品目:自動車、鉱物性燃料、建設用・鉱山用機械
  • 地域別:米国(2.4%減)、EU(9.0%減)、中国(7.3%減)

<輸入>

  • 輸入額は2.1%増と6カ月連続プラス-市場予想2.8%増
    • 数量ベースでは1.3%減-2カ月連続マイナス
  • 増加品目:電算機類(含む周辺機器)、半導体等電子部品、医薬品
  • 減少品目:原粗油

みずほリサーチ&テクノロジーズの坂中弥生上席主任エコノミストは、自動車や鉄鋼など中国と競合しやすい分野で、中国の輸出強化によって「輸出が少し下押しされている面もある」と指摘。先行きも中国の影響が引き続き下押し圧力として残るとの見方を示した。7-9月期の国内総生産(GDP)の外需には「マイナス寄与という印象」と語った。

ドル・円の平均値は1ドル=144.27円と、前年比で1.5%の円高だった。

 

(エコノミストコメントを追加して更新しました)

--取材協力:横山恵利香.

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