(ブルームバーグ):カナダのコンビニエンスストア大手、アリマンタシォン・クシュタールの買収再提案に応答すべきだと促す内容の書簡をセブン&アイ・ホールディングス(HD)の取締役会宛てに送ったと、米資産運用会社アーチザン・パートナーズが発表した。
7&iHDの長期的な株主であるアーチザンは、クシュタールによる1株あたり18.19ドルの買収再提案は、7&iHDが提示した事業再編計画を実行した場合に得られる評価よりも明らかに優れていると指摘。書簡で再提案に対して遅滞なく応答するよう促したという。また7&iHDが10日に発表した再編計画は、クシュタールによる真摯(しんし)な買収提案を妨害し、追い払うことを目的とした策略だと述べた。
7&iHDはスーパーなどコンビニ以外の非中核事業を分離する再編計画を通じて、自社主導で企業価値を高められると市場に訴えかけていた。またクシュタールから再提案については受けたことは事実だが、議論の機密性を保持しており、今後もそうする予定との説明にとどまっていた。
株主から7&iHDの姿勢に対して疑問が投げかけられたことで、膠着(こうちゃく)しているように見える状況に変化が現れる可能性もある。
7&iHDからコメントは得られていない。
またアーチザンは、7&iHDの取締役会に対して、透明性と説明責任を高めるための措置を講じるよう求めた。買収提案を検討する特別委員会の委員の氏名を公表するほか、中立性と客観性を確保するために、指名委員会から井阪隆一社長と丸山好道取締役が退くことも要求した。7&iHDでは効果のある経営の監督と説明責任がなされておらず、企業価値がディスカウントされる局面が続いているとしてきた。
クシュタールからの当初の買収提案は1株あたり14.86ドルだったが、7&iHDは買収提案額について、今後の事業戦略で企業価値が高まる可能性を適切に評価していないと反論。クシュタールは9月に、1回目に比べて約2割高い1株18.19ドルで再提案していた。
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