(ブルームバーグ):米アルファベット傘下のグーグルは、消費者と販売業者をより適切につなぐことを目的に、ショッピングサイトのデザインを一新した。アマゾン・ドット・コムなど他の電子商取引(eコマース)サイトとの差別化を図る。
新たなグーグルショッピングは、ソーシャルメディアアプリのようなスクロール可能なフィード表示が中心となる。ページ上には商品、レビュー、ユーチューブからの自動再生ショート動画など、閲覧者に合った個別のフィードが表示される。購入ページには、同様の割引商品のフィードが出る。
グーグルショッピング上での検索結果には、人工知能(AI)が生成した説明文が付く。例えば、雨の多い気候向けのジャケットの素材の種類など、特定の商品について考慮すべき重要な点が表示される。こうした機能は、まず米国で利用可能になる。
今回のサイトリニューアルは、レシピからフライト情報まで、利用者が何かを検索する際に、外部サイトへの移動をすぐに促すことなく、より長くグーグルのプラットフォーム上にとどまってもらうための取り組みだ。グーグルは5月、検索結果の概要を表示するAI機能を導入したが、この機能によって、閲覧で広告収入を得ているウェブサイトへのクリック回数が減少する可能性があると主張する批評家もいる。
アルファベットの株価は15日、0.3%高の165.46ドルで終了した。
グーグルショッピングは、同じくテクノロジー大手のアマゾンやアリババグループのデジタルマーケットプレイスとは異なり、商品の販売や発送は行わず、顧客に商品の購入先を紹介するだけだ。
グーグル副社長でコマース部門ゼネラルマネジャーのマリア・レンツ氏は発表前のインタビューで、アマゾンとは「異なる役割を当社は担っている。常に健全なエコシステムの促進を目指している」と話していた。
利用者はグーグルのさまざまなサイトを離れることなく、購入候補を十分に吟味できる。グーグルショッピングで推奨されたアイテムを表示したり、ユーチューブで商品のレビュー動画を見たり、さらにはグーグルマップで実店舗を見つけることもできる。
ただ、プラットフォーム上で高度に統合された製品群にはリスクもある。米連邦地裁は今年8月、グーグルが検索市場を違法に独占し、反トラスト法(独占禁止法)に違反しているとの画期的な判断を下した。米司法省は、同社の検索市場独占に伴う弊害の是正に向け、インターネット閲覧ソフト「クローム」や基本ソフト(OS)「アンドロイド」など、主要事業の一部分割を求める勧告を検討している。
原題:Google Redesigns Shopping Page With Infinite Scroll, Video (1)(抜粋)
もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
©2024 Bloomberg L.P.