パソコン(PC)メーカー大手の米デル・テクノロジーズは、エヌビディア製の最新人工知能(AI)アクセラレーター「ブラックウェル」を搭載したサーバーの出荷を近く開始することを明らかにした。

同社インフラストラクチャー部門のプレジデント、アーサー・ルイス氏はインタビューで、ブラックウェル搭載のAIサーバーについて、来月から特定の顧客向けに出荷され、2025年の初めには一般への販売も開始する予定だと説明した。

エヌビディアが手掛ける最新の先端AI半導体ブラックウェルは、出荷時期を巡って業界や投資家から注目を浴びているが、技術的な問題で投入に遅れが生じている。同社のコレット・クレス最高財務責任者(CFO)は8月、ブラックウェル製造の歩留まりを改善するための変更を加え、11月には製造ペースが加速する見通しだと明らかにした。

今回、デルが搭載機種の出荷見通しを示したことで、ブラックウェルの製造が予定通りの工程に戻ったことが裏付けられた。

サーバーコンピューター販売で最大手の一角に位置するデルは、AI作業に対応する高性能サーバー事業の拡大に注力。15日には、サーバーおよびその他のインフラ製品の新ラインを発表した。

PC製品で知られるデルが新たな成長路線を取り入れたことで、投資家の間では評価が高まっている。株価は年初から15日までに68%上昇。9月にはS&P500種株価指数の構成銘柄に採用された。

一部のアナリストは、AI製品の収益性や、スーパー・マイクロ・コンピューターなど同業他社に対する競争力について懸念を示しているが、ルイス氏は、既存の顧客との関係や豊富なサービスおよび製品でデルを差別化することができていると説明。こうしたバックグラウンドが、今回エヌビディアの最新半導体を自社製品にいち早く搭載できた理由になっていると付け加えた。

原題:Dell Ready to Ship Servers With New Nvidia AI Chips Next Month(抜粋)

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