(ブルームバーグ):米アルファベット傘下のグーグルが次世代原子力発電の開発に投資する。同社は14日、小型モジュール炉(SMR)を建設する新興企業カイロス・パワーと電力の購入契約を結んだと発表した。
カイロスは、溶融塩冷却技術を使用するSMRを建設する計画。送電網への供給開始後、グーグルが電力を購入する。
グーグルのエネルギー・気候担当シニアディレクター、マイケル・テレル氏によると、同社は今後10年間でデータセンターを拡張する計画で、今回の動きは新たな無炭素エネルギーを確保する取り組みの一環。電力供給は2030年から35年の間に開始する予定だという。
今回のプロジェクトでは500メガワットの電力を供給する。テネシー州でカイロスが実施している50メガワットのデモプロジェクト「ヘルメス」が含まれ、その後、75メガワットの複数の商業用原子炉が続くと両社は説明した。
大手ハイテク企業は、人工知能(AI)システム運用に必要な大規模データセンターの電力供給源を確保しようとしている。電力需要の急増により、公益事業者は天然ガス火力発電所の建設を迫られており、電力業界とテクノロジー企業双方にとって環境目標の達成を一層困難にしている。そうした中でクリーンエネルギーを供給する原発への関心も高まっている。
テレル氏は「われわれは正味の新たなクリーンエネルギーを求めている。既存のクリーンエネルギーの転用は考えていない」と述べた。
カイロスとの合意には、複数のSMRのオフテイク契約(長期供給契約)が含まれ、テレル氏によれば、この種の取り決めは初めてだという。14日に開催されたバーチャル形式のメディア・ラウンドテーブルで発言した。
グーグルとカイロスは、金額や契約の仕組みについてコメントを控えた。
原題:Google Backs Buildout of Small Nuclear Reactors in Kairos Deal(抜粋)
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